再出発と拡大

第二次世界大戦の終結後、図書館をはじめとする情報基盤の再建は、戦前の蓄積の上にゆっくりとした足取りで進んでゆきます。資料を効率的に管理するための組織や施設・設備が整備され、蔵書も着実に増加していったのも、時代が平穏になったことの証でしょう。こうして、現在に直接につながる図書館・資料室の形が、徐々に姿を現すことになります。

矢内原忠雄

1948.12

学部の組織変更の一環として、図書館を担当していた研究室主任・副主任を研究室委員会(第五委員会)に改組。

 

1951

学部創設30周年記念事業として、アダム・スミス文庫目録を刊行(Yanaihara Tadao, ed., Catalogue of Adam Smith's Library in the Possession of the University of Tokyo, Iwanami Shoten 通称・矢内原目録)。本目録は、経済学部所蔵分およびスミス自身の蔵書目録(A catalgue of books belonging to Adam Smith, Esqr. 1781 通称・1781目録)の翻刻からなる。

 

1954.2

資料整備のための小委員会。研究室図書部門の事務組織である図書掛の改組で資料掛を設置。

 

    矢内原目録        1781目録


  資料室月報第1号     資料室案内1957年

1954.4

資料室再置。以降、研究室の図書部門は、一般図書部門と資料部門の二本立てに(収集対象は、前者は理論的学術文献、後者は経済活動の実態分析資料)。

 

 


新館書庫7層

図書閲覧室

1955.1

アダム・スミス文庫の修復(~1957.9)。

1955

図書掛を、第一図書掛・第二図書掛・資料掛の三掛に分割。

 

1961

第一図書掛・第二図書掛を、図書運用掛・和書掛・洋書掛に再編し、資料掛と併せて四掛体制に。

 

1965.9

研究室および蔵書を新館(1964.10椿山跡地に起工)に移転。

 

1966.4

経済学部新館完成(現・赤門総合研究棟)。これに伴い、図書部門のうち資料掛は、学部付属の日本産業経済研究施設(産経研)に移管。

 

アダム・スミス文庫(修復前)   

  アダム・スミス文庫書架(修復後)

椿山         

新館書庫  

経済学部新館(左・赤門側、右・南側)


書庫の被害

1969.5

「学年末試験粉砕」を称する本館の破壊で、図書館書庫も被害。

 

1970.10

学部機構の改革。図書委員会を新設して研究室委員会の機能を吸収。

 

1971.4

資料掛内に労働資料室を設置。

 

1976.6

『国富論』刊行200年を記念して、アダム・スミス文庫の公開展示会を開催。

 

アダム・スミス文庫公開展示会


経済学部図書館印

1980.4

文書室を開設。

 

 

1982.11

経済学部図書室を経済学部図書館に改称。

 

1984.3

労働資料室を廃止。

 

1984.5

『エルンスト・エンゲル文庫目録』刊行(焼残本1126冊)。

 

1987.4

図書運用掛内に雑誌の受入・整理の業務を行う雑誌室を設置。

 

エルンスト・エンゲル文庫目録


1995.3

学部創立75周年を記念して、アダム・スミス蔵書目録影印刊行(A catalogue of books belonging to Adam Smith, Esqr. 1781)。

 

図書館カウンター

雑誌書架